懐かしい曖昧な味
先週から今週にかけて仕事のシフトが変則的でちょっと身体が可笑しいです。まぁ、いつもそんな大層な仕事はしてませんが。しゃべりすぎで社長に怒られるようなやつです。
お休みの日の昼間に窓辺で風に吹かれながら本を読むことに最高の贅沢を感じます。(ちょっと乙女チックな表現ですが。)それでも、読書月間も落ち着いてきてちょっとスローペースになった気がします。
「風味絶佳」
とにかく見た目が美味しそうで美味しそうで。(本なのに。)そして山田詠美さんは前からとても好きな女性なので。彼女が書いた「A2Z」を初めて読んだ時かなり衝撃を受けたのを覚えています。もういつのことだかは忘れてしまいましたが。恋ってこういうものなの??と思ってその斬新な恋のかたちに憧れました。不倫の話ですが。しかもWですが。
<あらすじ>
「甘くとろけるもんは女の子だけじゃないんだから」。孫にグランマと呼ぶことを強要する祖母・不二子は真っ赤なカマロの助手席にはボーイフレンドを、バッグには森永ミルクキャラメルを携え、70歳の今も現役ぶりを発揮する――。(表題作)
鳶職の男を隅から隅まで慈しみ、彼のためなら何でもする女、「料理は性欲以上に愛の証」とばかりに、清掃作業員の彼に食べさせる料理に心血を注ぐ元主婦など、お互いにしかわからない本能の愛の形を描いた珠玉の6篇を収録。
(Amazon.co.jp 商品の説明より)
↓↓ 以下感想 ↓↓
あぁ、山田詠美さんだ。という感じがしました。言葉の選び方とか。文章の運び具合とか。行間に滲む空気とか。最後に考えてしまうような状況とか。どれも詠美さんの世界だなぁと思いました。そんなに詳しいわけじゃないですけど。
「間食」
冒頭から凄いなぁと思いました。まるで間食するように誰かを好きになる。でもそれは決して永遠ではなくて。主食はちゃんと何処かにあって、間食はあくまで間食でしかない。ふむー。って感じです。でもどんなに美味しいお菓子でもそれが主食だったらやっぱり考えちゃうし、恋もそういうところあるのかなぁなんて思ったりしました。主従関係もあるのかなぁなんて。本命の彼女が彼を可愛がり。彼は他で見つけた愛らしい女の子を可愛がる。「で、加代さんて人(本命の彼女)は、誰に可愛がられてるの?」彼の同僚のこの言葉は衝撃的でした。着眼点が凄い!!とか思いました。そうだよなぁ。誰だって自分を可愛がってくれる人がいないと苦しいよなぁと今さらながらに思いました。
「夕餉」
”私は、男に食べさせる。それしか出来ない。”それが出来れば充分だ!とか思いました。凝った料理を時間をかけて作ろうと思う女性は素敵だと思います。自分にはないものだから。そしてそれを時間をかけて食してくれる男性も素敵だと思う。恋にはいろんなかたちがあるんだなぁと改めて思いました。それは例えば奥さんの立場でも変わらないのかなぁと。難しいことはよくわかりませんが。どんなに大人ぶったところで。どんなに年を重ねたところで。わたしはまだまだひよっこです。
「風味絶佳」
表題作です。最初この本を手に取ったとき、この話の長編だと思ってたんですが。予想を反して短編集でした。不二ちゃんみたいな人がわたしのおばあちゃんだったら。もとい。グランマだったら、わたしの生活って何か違うのかなぁとか。もしくは周りにいたら何か違う発見があるのかなぁとか思いました。不二ちゃんの凄いとこはいつでも自分の中の自分で生きてるところだと思う。それは誰に対しても変わらなくて。たとえ大切な孫でも。違うことは違う。振られたものは振られた。絶対偽ったりしないんだなぁって。それって凄いよなぁと思いました。それは不二ちゃんの年がそうさせてるものなのか。それともそもそもそういうものなのか。それはわからないけど。単純に素敵だなぁと思いました。”女の子はシュガー・アンド・スパイス。”甘いだけは物足りない。そうかもしれないなぁ。うん。そうだなぁ。なんて妙に納得したりしてました。
「海の庭」
個人的には一番好きかなぁと感じました。いつも自分に降りかかる時間が優しかったらいいのになぁって思います。いつも大切な人たちに降りかかる時間が優しかったらいいのになぁって思います。そんな風に生きていけたらいいなぁって。もちろんその時間の中に辛いことも悲しいこともいっぱい詰まってるけど。それでもそれを包む時間が優しかったら嬉しいなぁって思います。そんな時間がこのお話の中には流れてる気がしました。よく初恋は実らないって言うけど。でも初恋の後、いくつもの恋に出会って。そしてまたその場所に辿り着けるならそれもまた新しい恋だよなぁって思います。わたしにやり直すべき初恋はあるのかなぁ。
「アトリエ」
社会とはかけ離れてるところにある世界のお話な感じがしました。穏やかにふんわりと時間は流れてる様な気がするのに凄く考え込んでしまうお話でした。微笑ましいのに何故だかちょっと泣きたくなる。温かいのになぜだかちょっと心が痛い。そんな感じでした。絶対的な存在は時々、とても怖いものを連れてくるなぁって思います。だから絶対的なはずなのに隙が出来たり、脆かったりする。それでもそんな存在に出会えることは幸せなんだろうなぁと。そういう在り方も大切だよなぁと思いました。
「春眠」
大学時代の。それも自分が想いを寄せていた女性が。自分の父親の再婚相手。つまり自分の義母にあたるわけで。それって凄いなぁって思います。たぶんなかなか現実には起こりえないだろうけど。でも決して起こらない話ではなくて。意外に知らないだけで近くにそんなかたちの夫婦もいたりするのかなぁなんて思いました。息子として。同級生として。思いは複雑だろうけど。でもそんなことは関係なくお互いを想えるお父さんとこの女性は素敵だなぁと思いました。そして何より妹さんが素敵。大切な人の味方でいることを宣言できる人は心の強い人です。きっと。自分だって思うところはいろいろあるだろうし。でも、それでも人を思い遣れたら素敵です。そんな女性になりたいです。
詠美さんは割と濃い内容をさらーって書く気がします。でもそれは決して軽くなくて、ちゃんと読み手の心の中に居場所を作る言葉たちなんです。それって凄いです。またまた山田詠美ワールドにどっぷり浸ってしまいました。
| 風味絶佳 著者:山田 詠美 |
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コメント
私も読みました!かなり前なのですが。
山田さんの本はそれからちょこちょこ読むようになりましたが
私にとってはこの「風味絶佳」が初めての本でした。
何度も繰り返して読んでいますが、初めて読んだときに感じたことが今もそのまま息づいている感じがします。
明日映画のほうを観にいってきます。
エリカちゃんの演技表現が凄く好きなので楽しみです。
あと私も菅野さん大好きです。
投稿 晴 | 2006年9月18日 (月) 19時49分
晴さん、こんばんはー!
晴さんも読んだんですね。
山田さんは表現が素敵だなぁって思います。
映画観に行かれるんですね。凄く羨ましいです。
わたしも観たい作品なので。
沢尻エリカちゃんはわたしも好きです。
なぜか妹の彼氏とエリカちゃんを取り合ってます(?)
菅野さんも素敵ですよね。
堂本兄弟とかでドラえもんの真似してる時とか、
恋に近い感情を覚えます(笑)
投稿 minto | 2006年9月18日 (月) 22時20分